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第36話 終りが近し 「……ラクス。お前は”俺に負けた理由”を…捜してたんだな」 「……負けた…理由?」 キラは何の事かさっぱりわからずに二人に聞き返す。 「そうですわ。私が負けるはずなんて…ありえませんもの。 だから…貴方に”イーヴルの力”さえあれば…証明できるでしょう?」 ラクスはにっこりと微笑む。 アスランは何も言わずに、黙っていた。 「…ヒダカさんは、"二人とも"息子だと…思ってるのかな」 ミリアリアはそう呟く。 「…アスラン…”イーヴルの力”試してみませんか?」 「俺は試さない」 「そういわれますと試してみたくなりますわ」 キラの表情は次第に曇っていく。 「……嫌だよ。…僕、アスランの側に…ずっと…いたいよ!!」 (どうして、どうして…なんで…離れていっちゃうの・・・・) 「・・皆・・・自分勝手だよっ!」 キラが思いを爆発させる。 「自分のモノのためにその力とか・・・どうでもいいじゃんっ!!!」 やめてほしくて。 差別してほしくなくて。 「もう、組織じゃないんだったらでていってよ・・・!」 平和が欲しくて。 「ラクスは・・・君は・・・平和に暮らしたいって思わないの!? 争いがある所で…ずっと生きていたいの?」 「……争いのない場所なんて…ありますか?」 ラクスに言われ、言葉を飲み込むキラ。 「何処にあるんですの?平和な場所が・・どこもどこも戦争ばかりではないですか」 「そんな・・戦争なんてないっ」 ラクスはクスクスと笑う。 「試してみますか・・・?キラ・ヤマト・・・・?」 「・・・試す・・・?」 |